学部長/研究科長挨拶

社会学研究科長
秋山 晋吾

 一橋大学の社会学部(1951年創設)は2021年に、大学院社会学研究科(1953年創設)は2023年に、それぞれ創立70周年を迎えました。この間、社会科学・人文学の幅広い諸分野を横断・総合する教育と研究の拠点として、その歴史を紡いできました。全国の社会科学系大学院として最高水準にある科研費の獲得状況が示すように、社会学部・社会学研究科には、社会学、哲学・思想、歴史学、教育学、政治学、社会人類学、社会心理学など多様な学問領域のほか、社会政策、グローバリゼーション、ジェンダー、スポーツなど、領域横断的アプローチによる研究にもいち早く取り組んできました。社会学部・社会学研究科のユニークな特徴、それは、個別の学問分野を大切にしながら、同時に多領域にわたる教育・研究活動が有機的に関連し合うようにこころがけ、これが成果を重ねてきたことにあります。社会学部・大学院社会学研究科は、我が国の伝統ある社会科学の研究総合大学としての一橋大学の特長をもっともよく体現する学部・研究科であると、私たちは自負しています。一橋大学が2019年に指定国立大学の指定を受け、世界最高水準の教育研究拠点としてさらなる発展を期待されるなか、社会学部/社会学研究科もこれまで以上に社会や経済の発展に貢献する成果を発信すべく活動を展開していこうと思います。

 学士課程(社会学部)には、全国・海外から知的好奇心に満ちた学生諸君が集まっています。商学部・経済学部・法学部と異なる社会学部のユニークなところは、入学の時点では社会科学や人文学のどの領域を自らの専門とするかがまだ定まっていないことです。学生諸君は、多様な学問分野を吸収しながら、自らの問題意識と対話しながら、専門と方法を選び、あるいは自ら創造さえしていくことを通じて、変化する時代に柔軟に対応できるような大きな「知」の器を、学生一人ひとりが自らにあった形で作っていくことをめざします。このため、1・2年次には基盤となる知識や技法、幅広い視点を多面的に学び、それらを踏まえて3・4年次では、特定のゼミに所属して専門的な学問を深めます。自らも研究活動に参加し成果を卒業論文としてまとめる過程で、躍動する知の最先端に触れられるのは、社会学部の大きな魅力です。広く社会で活躍する社会学部卒業生に共通する資質は、知的逞しさと応用力と言って良いでしょう。

 2017年度からはグローバル・リーダーズ・プログラム(GLP)が始まっています。このプログラムの目的は、現代社会が直面している課題に対し、グローバルな市民社会のリーダーを育成することにあります。英語および英語以外の外国語の運用能力を鍛えるとともに、地球規模の課題の解決に挑むための教養・思考力・構想力・実行力を養います。

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