教員紹介
佐藤 文香 (さとう・ふみか)
教授
1972年生
地球社会研究専攻
社会学研究分野(ジェンダーの社会理論・社会学、軍隊・戦争の社会学)
https://fumika-sato.wixsite.com/hitotsubashi
研究室:磯野研究館4階414
オフィスアワー:金曜13:30~14:30 (事前にメールで予約してください。)
主要研究領域
ジェンダーの社会理論・社会学、軍隊・戦争の社会学
現在の研究テーマと今後の抱負
専門は社会学・ジェンダー研究で、「ジェンダーと社会」「ジェンダー論」「平和とジェンダー」等を担当しています。
ジェンダー研究は、20世紀後半に登場した研究分野です。男性中心主義への批判と対抗を目指して誕生した女性学、それを受けて男性の立場からの省察をはじめた男性学、異性愛中心主義への批判と対抗のために登場したセクシュアリティ研究、さらに男/女や異性愛/同性愛といった二項対立そのものを脱構築しようと発展したクィア研究――ジェンダー研究はこれらを緩やかに包摂しつつ、時に緊張関係を孕みながら展開してきました。
ジェンダー研究は、女性やセクシュアル・マイノリティだけに焦点化する学問ではありません。人間の「標準」とされる男性も、「正常」とされる異性愛者も当然ながら研究の対象となり得ます。また、家族のように性差や性役割の存在がわかりやすく見える領域だけを扱うわけではありません。男性が担うことが当然と見なされてきた軍事や戦争、あるいはそこに性別が入る余地などないと思われてきたような国際関係といった領域も同じように研究対象となり得ます。
わたし自身は、大学院で「軍隊と女性」を研究テーマに選び、長らく自衛隊をフィールドとした研究を続けてきました。その過程で、英語圏におけるフェミニスト国際関係論という分野や日本国内の戦争社会学という新興分野に集う研究者と交流をし、戦争・軍事のジェンダー研究という分野の開拓につとめてきました。 これらの成果は、2022年の単著『女性兵士という難問』(慶應大学出版会)/2026年 The Connundrum of the Female Soldiers (Trans Pacific Press)や2021-22年の編著『シリーズ 戦争と社会』(岩波書店)にまとめました。
ここ数年、特に力をいれているのが、第二波フェミニズムの理論的総括に関連した仕事です。単線的な進歩史観や善悪二元論に基づいた他者化とは異なる形でのフェミニズムの歴史叙述を模索し、ジェンダー理論の「失われた20年」を打開する方途を探っています。
当事者研究として出発したジェンダー研究は、性にまつわるステレオタイプへの疑問やマイノリティの生きがたさに対する痛覚を大切にしてきました。しかし、研究に際しては自身の苦しみや痛みをいったん脇におくことが必要になることもあるでしょう。自らと異なる世界観を生きる他者に対する想像力と不断の内省を保ちつつ、ジェンダー理論のフロンティアを切り拓こうという気概をもった方々にこの分野を託せるよう、残りの研究人生を過ごしたいと思います。
これまでの業績はresearchmapをご覧下さい。ネットでアクセス可能なものとして以下がありますので、関心があれば是非目を通してみてください。
「分断の時代に思う――二元論を超えて」東海ジェンダー研究所 『LIBRA』85号 2025年
https://libra.or.jp/wp/wp-content/uploads/2025/11/LIBRA85.pdf
「本はみんなのもの――100%の賛同でもなく100%の否定でもなく」Women's Action Network 女の本屋 2025年
https://wan.or.jp/article/show/12171
「女性学とジェンダー研究のあいだ ――なにが異なり、なぜすれ違うのか」『女性学』32号 2025年
https://hit-u.repo.nii.ac.jp/record/2061620/files/0102503101.pdf
「特別寄稿(受賞記念講演)女性兵士という難問」『女性文化研究所紀要』 51号 2024年
https://share.google/xyhYHJkFIDaeb8dje
「戦争とジェンダー・性暴力」『学術の動向』27巻12号2022年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/27/12/27_12_16/_pdf
「女性兵士と戦争――元自衛隊の女性隊員へのセクハラ問題をきっかけに考える」 TBSラジオ 荻上チキ Session 2022年10月3日
https://www.youtube.com/watch?v=ndfnfJaUw8M
「軍事組織とジェンダーの研究から、社会の「物差し」を問い直す」HQ Chat in Den 2020年10月2日
https://www.hit-u.ac.jp/hq-mag/chat_in_the_den/391_20200930/担当科目
社会学研究科・社会学部の講義情報・ゼミ情報詳細は本学学務情報システム(CELS)を参照してください。
大学院:
分野/科目群 科目名 学期 社会学研究分野 平和とジェンダー 春・夏 方法科目群 地球社会研究の基礎A(ジェンダー研究) 春・夏 研究科共通科目 リサーチワークショップ 通年 大学院ゼミナール [ 2026年度版案内|2025年度版案内 ] 学部:
科目区分 科目名 学期 学部導入科目 社会研究入門ゼミナール(佐藤 文香) 秋・冬 社会学研究分野 ジェンダーと社会 夏 学部後期ゼミナール [ 2026年度版案内(3年), 2026年度版案内(4年)|2025年度版案内(3年), 2025年度版案内(4年) ] 学歴
1995年3月 慶應義塾大学 環境情報学部 卒業
1995年4月 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 修士課程 入学
1997年3月 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 修士課程 修了
1997年4月 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士課程 入学
2000年3月 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 博士課程 単位取得退学学位
修士号(1997年3月、政策・メディア修士、慶應義塾大学)
博士号(2002年12月、博士(学術)、慶應義塾大学)職歴
1998年4月-2003年3月 明治学院大学 国際学部 非常勤講師
2000年4月-2003年3月 日本学術振興会 特別研究員
2002年4月-2003年3月 成蹊大学 文学部 非常勤講師
2002年4月-2003年3月 武蔵大学 社会学部 非常勤講師
2003年4月-2005年3月 中部大学 人文学部 専任講師
2004年4月-2004年9月 愛知大学 文学部 非常勤講師
2004年9月-2005年3月 金城学院大学 生活環境学部 非常勤講師
2005月4月-2007年3月 一橋大学大学院 社会学研究科 助教授
2011年8月-2012年6月 ハーバード・イェンチン研究所 客員研究員
2007年4月-2015年3月 一橋大学大学院 社会学研究科 准教授(名称変更)
2015年4月- 一橋大学大学院 社会学研究科 教授業績一覧(researchmap のページへ移動します)
研究室所属の大学院生
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博士後期課程:6 名
修士課程:11 名 研究室構成員の詳細(公開希望者のみ)
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澤口 右樹(特任研究員・学振PD/イスラエル/パレスチナ研究・中東地域研究・ジェンダー・軍事社会学)
宮川 円(博士後期課程/犯罪学・ジェンダー・施設内処遇)
永山 理穂(博士後期課程・学振DC2/美的労働・美容実践とジェンダー・美容産業)
孟 令斉(博士後期課程・学振DC2/ジェンダー・セクシュアリティ研究、クィア移住研究)
キム ヒョジョン(博士後期課程・学振DC1/韓国研究、韓国軍、ジェンダー、軍事社会学)
