佐藤 仁史 (さとう・よしふみ)

教授  1971年生
総合社会科学専攻
歴史社会文化研究分野(アジア史、中国近世・近現代史、日中関係史)
研究室:時計台棟1階505
オフィスアワー:金曜4限 (事前に予約してください)

※外部からの大学院進学希望者の個別相談については、指導教員を通して連絡してください。直接メールを頂いても返信は出来かねます。


主要研究領域

中国近現代史、東アジア近現代史

現在の研究テーマと今後の抱負

研究テーマを端的に言うと「草の根からみる近現代中国(東アジア)社会の秩序」で、ロー・アングルからみる中国近現代史というのが私の研究の特徴です。江南地方において市鎮や村落レベルの地域社会がどのような近現代を経験したのかというテーマから研究をはじめ、その後、中国の農漁村、満洲引揚者のコミュニティへとテーマが広がっています。研究の際には、近代に至って「傍流」とされたり、周縁化されたりしてしまった人々やその価値観に着目しています(王汎森『執拗的低音』における議論と問題関心が共通しています)。

【具体的な研究テーマ】
(1)清末民国期の長江下流域社会における郷土意識の生成(「在地指導層と地域社会」)
このテーマについては、「水域社会史」という角度から水辺社会の開発、自然資源の利用・管理、地域秩序・地域意識の生成など地域社会の動態をトータルに捉えることを目指しています。また、浙江省山間部の開発やローカルコモンズについても調べています。

(2)民間信仰を媒介とした近現代中国基層社会(「民衆と基層社会」)
このテーマの主要内容は江南農漁村におけるフィールド調査で、文献資料をほとんど残さなかった普通の農民や漁民のライフヒストリーの実態に迫るためにインタビューを行ったり、民間信仰を媒介とする秩序維持の核心となる儀礼の観察を行ったりしてきました。民間信仰調査と関連して、「宝巻」と呼ばれる民間芸能についても調べています。最近は、改革開放期の文化の変遷や歴史記憶に調査対象を広げています。

(3)近現代東アジアにおけるエスニック・アイデンティティ(「境界の人々」のコミュニティ)
このテーマは比較的新しい問題関心で、近10年に進めているものです。①満州引揚者が戦後日本において形成するようになった一種の「エスニック・アイデンティテイ」(「大連人」「大連っ子」意識)、②長江下流域の移民とそのアイデンティティ(蘇北人、「沙民」など)に取り組んでいます。②は(1)の問題関心とも繋がっています。

上記の検討課題に接近する方法としてオーラルヒストリー調査を中心とする現地調査を実施しており、(2)については「語り」のアーカイブ化に、(3)については様々なエゴ・ドキュメントの翻刻に取り組んでいます。

担当科目

社会学研究科・社会学部の講義情報・ゼミ情報詳細は本学学務情報システム(CELS)を参照してください。

大学院:

分野/科目群 科目名 学期
歴史社会文化研究分野アジア史特論B
歴史社会文化研究分野アジア史B(近現代)春・夏
大学院ゼミナール [ 2024年度版案内2023年度版案内 ]

学部:

科目区分 科目名 学期
学部導入科目導入ゼミナールⅡ
学部導入科目社会研究入門ゼミナール(佐藤 仁史)秋・冬
歴史社会文化研究分野史料講読(アジア)B秋・冬
歴史社会文化研究分野アジア史総論B
学部後期ゼミナール [ 2025年度版案内|2024年度版案内(3年), 2024年度版案内(4年) ]

学歴

1993年8月 中国復旦大学国際文化交流学院留学(大学院歴史系の講義も聴講)(~1994年7月)
1995年3月 慶應義塾大学文学部史学科東洋史学専攻卒業
1995年4月 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程史学専攻入学
1997年3月 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程史学専攻修了
1997年4月 慶應義塾大学大学院文学研究科博士後期課程史学専攻入学
2000年3月 慶應義塾大学大学院文学研究科博士後期課程史学専攻単位取得退学
2003年10月 慶應義塾大学大学院文学研究科より博士(史学)学位を取得

学位

修士号(1997年、修士(史学)、慶應義塾大学)
博士号(2003年、博士(史学)、慶應義塾大学)

職歴

【常勤】
2000年4月 財団法人東洋文庫奨励研究員(PD研究員)
2001年4月 滋賀大学教育学部講師
2004年4月 滋賀大学教育学部助教授
2007年4月 滋賀大学教育学部准教授
2009年4月 一橋大学大学院社会学研究科准教授
2014年4月 一橋大学大学院社会学研究科教授(現在に至る)

【兼任・非常勤】
 杏林大学外国語学部非常勤講師(1997年4月~2001年3月)
 慶應義塾大学商学部非常勤講師(2000年4月~2001年3月)
 早稲田大学メディアネットワークセンター非常勤講師(2000年4月~2001年3月)
 早稲田大学メディアネットワークセンター共同研究員(2001年4月~2003年3月)
 慶應義塾大学東アジア研究所所員(2008年4月~2010年3月、2013年4月~2016年3月)
 滋賀大学教育学部非常勤講師(2009年度夏季・冬季集中講義、2014年度夏季集中講義)
 財団法人東洋文庫研究員(客員)(2009年4月~現在)
 東京大学ASNET「日本・アジア学」講座講師(2010年度・2011年度)
 関西大学アジア文化研究センター(CSAC)客員研究員(2011年11月~2016年3月) 
 慶應義塾大学文学部非常勤講師(2012年4月~2014年3月)
 南山大学外国語学部非常勤講師(2013年度秋季集中講義)
 早稲田大学文学学術院非常勤講師(2013年度~2015年度、2021年度~2022年度秋学期)
 国際基督教大学教養学部非常勤講師(2014年4月~6月)
 津田塾大学学芸学部非常勤講師(2014年4月~2015年3月)
 国際基督教大学アジア文化研究所研究員(2014年4月~2016年3月)
 中国中山大学歴史地理研究中心兼職研究員(2014年4月~現在)
 九州大学大学院人文科学府非常勤講師(2015年度夏季集中講義)
 蘇州科技大学歴史系兼職教授(2015年11月~現在)
 香港浸会大学近代史研究中心Overseas Senior Research Fellow(2016年9月~2021年8月)
 香港中文大学歴史人類学研究中心Research Fellow(2017年3月~6月)
 香港科技大学人文学院Visiting Scholar(2017年6月~8月)
 『歴史人類学学刊』編輯委員会委員(2018年1月~現在)
 早稲田大学政治経済学術院非常勤講師(2018年度冬学期・2019年度夏学期・2020年度・2021年度冬学期・2022年度夏学期・2023年度・2024年度冬学期)
 中央民族大学歴史文化学院外籍専家(中国科技部高端外国専家引進計画、2021年1月~2022年12月)
 学習院大学文学部非常勤講師(2022年度通年)
 東京外国語大学国際社会学部非常勤講師(2022年度冬学期)
 香港中文大学歴史系Adjunct Associate Professor(2023年5月~7月)
 関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS) 研究員(2023年9月~現在)
 中央民族大学歴史文化学院外籍教授(2024年6月~8月)
 遼寧師範大学歴史文化学院特聘教授(2024年8月~現在)
 香港中文大学歴史系Adjunct Professor(2024年9月~2025年9月)

業績一覧(researchmap のページへ移動します)

https://researchmap.jp/read0162158

研究室所属の大学院生

博士後期課程:2 名
修士課程:3 名




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