社会学研究科・社会学部紹介
社会学部カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
一橋大学社会学部では、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力のある専門人、理性ある革新者、指導力のある政治経済人を育成するという本学が掲げる理念に基づいて、以下のとおり教育課程編成の考え方に基づく、学修内容及び学修方法、学修成果の到達目標、学修成果の評価方法により教育課程を実施します。
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教育課程編成の考え方
一橋大学社会学部は、社会科学及び人文科学の専門的・総合的な教授を通じて、現代社会の諸問題を多角的・批判的に分析し豊かな構想力をもって実践的に解決する人材の育成を目指します。
この教育目標の達成のために、社会学部のカリキュラムは、導入科目・基礎科目・発展科目にさまざまな学問分野(社会学・社会調査、国際社会学、哲学・思想、言語文化、社会心理学、人類学、地理学、教育学、政治学、スポーツ社会学、社会政策、歴史学、ジェンダー研究、等々)を、また、各年次に少人数授業であるゼミナールを配置するなどして、次に掲げる方針に基づいて教育課程を編成し実施します。 -
学修内容及び学修方法
- (1)初年次教育
学部導入科目(1年次)は社会学部で学修する姿勢を作ります。学生は、「導入ゼミナール」で大学での学びの基礎を少人数で演習し、「社会科学概論」で社会科学や人文科学のさまざまな考え方に触れてそれらの適用を実践し、さらにいくつかの講義科目やゼミナールの履修を加えて、社会学部の学びの最初のステージを進みます。なお、社会学部は、多言語運用と多文化理解を重視する立場にたち、共通教育科目において初修外国語の履修を必須としています。 - (2)2年次以降に学修する学部基礎科目
学部基礎科目(2年次以降)は社会科学及び人文科学の専門的知と出会う場です。学生は、社会学部を構成する専門分野群の基礎をそれぞれに学び、あわせて現代社会とその諸問題にかかわる認識と実践の現在を把握していきます。 - (3)3年次以降に学修する学部発展科目
学部発展科目(3年次以降)は各分野の専門的知の一層の修得を促します。学生は自分自身の専門的な、もしくは領域横断的な学修を深化・高度化する手掛かりや材料を得ていきます。なお、学部発展科目の一部にはいっそう専門的な内容が含まれ、それらは大学院学生との共修科目として提供されます。 - (4)テーマ別・領域横断的な学修が可能になるように配置された専門科目
学部導入・基礎・発展科目は、学問分野ごとにグループ化されているだけでなく、いくつかのテーマについてさまざまなアプローチによる領域横断的な学修が可能なように配置されています。その代表的なものがジェンダー教育プログラムです。また他に、市民社会、エスニシティ、人権、福祉、環境、開発、紛争などのテーマを立てています。 - (5)3・4年次の後期ゼミナール
後期ゼミナール(3・4年次)は指導教員のもと、それぞれの専門的な、もしくは領域横断的な学修の深化・高度化を、他の学生たちとともに実践する場です。学生は、哲学・思想や理論や歴史を理解する、社会の問題・課題を認識し理論的に考察し実践的解決を模索する、さまざまな材料やデータを収集し分析する、フィールドワークや共同研究を遂行する、互いのプレゼンテーションに対応しあい、ディスカッションを重ねる、そういった積み重ねを通して、知識と思考・発想力とコミュニケーション能力を実践的に獲得し鍛錬しあっていきます。 - (6)学位論文(卒業論文)
学士論文(卒業論文)は、学生一人ひとりの学修の集大成である重要課題です。学生は、後期ゼミナールでの活動を基盤に、それぞれ計画的に研究を進め、指導教員の指導と他の学生たちとのディスカッションとを拠り所にしながら、学士論文を完成させます。 - (7)グローバル・リーダーズ・プログラム(GLP)や5年一貫教育プログラム
グローバルに活躍する企業人、国際機関職員、研究者、ジャーナリストなどを育成するための、多言語運用能力を重視した教育プログラム(グローバル・リーダーズ・プログラム)を開設しています。また、学士課程の4年間と大学院修士課程の2年間を5年間で修了する、学部・修士課程5年一貫教育プログラムを開設しています。 - (8)高度職業人養成のための多様なプログラム
研究者・職業人としての技能を高めるプログラムとして、社会調査とデータ分析の方法論や実習を含む科目を配置しています。また、英語による論文作成やプレゼンテーションの技能を強化させる科目を配置しています。
- (1)初年次教育
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学修成果の到達目標
学生が自らの履修計画に基づいて適切な科目履修が行えるように、ゼミナール及び講義科目それぞれにおける授業概要や到達目標、授業計画及び評価方法等を明記したシラバスを示しています。 -
学修成果の評価方法
学修成果の評価方法は、次の方針のもとに実施しています。- (1)講義科目の成績評価は、期末試験(筆記試験やレポート試験)により行われ、シラバスに定める「成績評価の方法と基準」に基づき、「授業科目の到達目標」に掲げる知識、能力が身についているかで判定します。講義科目においては、段階的な知識修得が効果的に行われるよう、履修できる科目数に上限を課しています。
- (2)後期ゼミナールなど少人数で行う授業科目においては、学修・研究活動の発表などの実績・評価を用いて、主体的、自主的、能動的な学修態度や、学士課程で求める思考力、判断力、コミュニケーション能力が身についているかを確認し、判定します。
- (3)学士論文においては、対象に接近するさまざまな専門的方法を体得し、総合的視野と多元的思考に基づき、社会問題の文脈と全体像を把握する判断能力を備えているかを確認し、判定します。
- (4)「授業科目の到達目標」への到達度は、可能な限り複数の評価手段によって判定します。なお、研究活動上の不正行為を防止するため、全学生を対象として、研究倫理教育を実施しています。
社会学部のカリキュラムは、このポリシーのもとで定期的に精査と検証を受け、いっそうの改善がはかられます。ファカルティ・ディベロップメント(FD)を定期的に開催し、授業アンケートなどの結果を教員間で共有し教育の質の向上に努めています。